2003年5月
 樹木の根元にぽっかりと穴.......雪融けの頃、林で見られる現象である。
 『真っ白い雪に比べて、樹木の表面は陽光の熱を多く吸収するために、それに近いところから融け始める....』との説明をよく聞く。
 しかし、長い眠りから目覚めた木々の体温が周囲の雪を融かし、自ら春を呼び寄せた、と考えるほうが自然であり、実際、外気はマイナスでも導管は盛んに活動を始めている。
 厳寒の冬を、頭を下げ、じっと耐えていた命たちが、蓄えていたエネルギーを一気に放散させている.....。
 北の大地は今、そんな季節に突入している。
〈津田 典秀〉







ムツゴロウ動物王国「いしかわさんの命がいっぱい」

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