2003年3月
 塩を含んだ海水も冷えれば凍る、ましてやオホーツクの海はどん詰まりであり、そこにアムールの淡水が多量に流れ込んでいる。海の表面は北の寒気に冷やされ、シャーベットから蓮の葉状の氷に、そして大きな塊となって南下する。
 流氷が見られる地球上で最も緯度の低い地域が、私が住んでいるこの辺である。今がまさにピーク、オホーツクと大平洋を結ぶ根室海峡はぎっしりと埋め尽され、北方領土まで歩いて渡れる感じがする。
 吸い込まれるようなグリーンを感じるブルー、そして上に乗った真っ白な新雪.......寒さを忘れ、国後を背景に、氷の上で羽を休めるオジロワシのカップルを見続けてしまった。
〈津田 典秀〉






ムツゴロウ動物王国「いしかわさんの命がいっぱい」

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