日記
2009年 1月 1日 (木) 22:12


Yさんからの年賀状
by ubu

 残念ながら重い雲が東の空にしがみつき、今年の初日の出は見ることができなかった。
 それでも、年の瀬からなんとなく気がせかされ、その勢いで迎えた元旦は、いつもの何でもない光景が新鮮に見えるから不思議だ。陽光を遮る雲にさえ、今の世の中を重ね合わて、「そうか、やはり」、、、などと頷いてしまう俗な自分に苦笑する。

 世の中と言えば、流れにこびるだけではなく、それを強調してしまうTVを中心としたメディアにはうんざりだ。掲示板で私がよく使うオヤジギャグの「フライドチキン」→「揚げ足鶏」→「上げ足取り」が公営放送のNHKのニュースにまで大袈裟に登場するのには、もう報道に関るもの、日本を俯瞰で見渡さなければいけない仕事に関っている人間として、何おかいわんや、全てワイドショーの範疇に入りこんでしまったとしか思えない。
 私はけして麻生さんが好きではない、期待もできないと思う。でも、目立つ立場の人からフライドチキンを取ろうとは思わない。どんな人にも思い違いや思わぬミスはある。彼を含む勢力を選んだのは大きく見れば私たちであり、次の機会に反省をこめて考慮すれば良いことなのだから。

 北の地で暮らしていると、不思議なことに政治経済に目が向いてしまう。昔、高校生の頃もそうだったな〜と、団塊の世代のはしくれに引っかかる私は、ともすれば心の奥で熱く膨れあげる得体の知れないものに、少し戸惑いながら新しい年を迎えた。

 重い雲があろうと、道が滑ろうと、郵便事業の新しい会社の方は勤勉である。年賀状は午後1時頃に我が家に届いた。その中には、我が家で生まれ、そして旅立って行った子犬たちの近影をプリントした賀状もたくさんあった。私も女房も、1枚1枚、じっくり手に取り、元気な姿と幸せな暮らしぶりが感じられる文章を笑顔で読ませてもらった。

 兵庫県のYさんからの賀状もあった。3つの写真がプリントしてあった。ひとつはラブラド−ルのセンが父親でサモエドのラーナが母親の夢狗(ムク)の元気な姿だった。もうひとつはアヒルのピッピであり、少し年を感じるが、それでもいたずらっ子の気配がする写真だった。
 最後の1枚は、白い子犬が鼻の頭に雪をつけてて雪上に立っている写真っだった。「はじめまして、ウランです・・・」と書かれていた。
 この子は、今、我が家の庭の仮設サークルで、兄弟のヤマル、スノウと一緒に暮らしている。もともと8匹の兄弟姉妹だったが、先月の中旬から各地に旅立ち、3匹で新しい年を迎えた。
 
 実はYさんは、昨年、間もなく14歳になるという愛犬を亡くされている。『蘭』、我が家で生まれた美人のサモエドだった。その死は、Yさんには大きな悲しみであり、私には慰めの言葉が浮かばなかった。
 蘭が星になる1年以上前、私はYさんと約束をしていた。老いが見え始めた蘭に元気を運ぶには子犬が一番、蘭の父親であるマロの血を継ぐサモエドの女の子を、、、と。
 残念ながら子犬は蘭の周囲で騒いで叱られたり、蘭のふところで眠ることはできなかった。しかし、蘭との素晴らしい13年と数カ月の歴史と文化の在るYさんの家で、必ずやウランは笑顔を広げ、手間をかけるだろう。
 そして、ウランの所作表情に蘭を認め、Yさん御家族も弾んだ声で蘭の思い出話をされる、私はそう確信している。
 だから、子犬の名前は『美しい蘭』、『ウラン』とYさんは名付けられたと想像している。
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 写真は2002年、蘭、Yさん、そして私。
 今度は、美蘭、夢狗、Yさん、私で撮影しなければ、、、。
 


 



T R A C K B A C K

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