2008年 5月 14日 (水) 23:49
今日、遠方から手紙が届いた。
転勤の挨拶とともに、1匹の犬の死のことが記されていた。
「ボルガ」、今年で12歳になるサモエド、我が家のマロとウラルの間に生まれた子だった。
ボルガは帯広に旅立ち、その後、飼い主さんの転勤で岡山で暮らしていた。11年と数カ月、年初の賀状で見るボルガは、本当に幸せそのものだった。
たしかあの子は、我が家に残ってマロの跡を継いだカザフと同じ時に生まれた。帯広から来られたIさん御家族は、カザフとなったオスと、ボルガを見比べ、どちらにするか悩まれていた記憶がある。もしかするとボルガがカザフになっていた可能性もあったと思うと、運と縁の不思議を感じてしまう。
ここ数年、マロの子たちの死の連絡が届くようになった。あいつが種オスとして活躍をした期間は、1992年〜1999年の8年に及ぶ。最後はヘアレス犬のカムリとの結婚なので、サモエドを相手としての交配は1998年が最後である。
マロはこの8年間で8匹の妻と19回の結婚をしている。生まれた子犬の総数は90匹に及び、まさにドンファン。素晴らしいオスであり、そして我が家の集団を統率する素晴らしき親分だった。
その90匹の子犬たちの中で、もっとも若い子は、8歳、今年の秋になれば9歳になるベコである。1992年に生まれた子は、生きていれば、なんと今年で16歳、父親のマロの享年を3歳近く超えることになる。
無念の連絡が届くのもやむを得ないと、私は、頭では理解しているのだが、、、。
それにしても、人間に比べて、なんと犬たちは短命な生き物だろうか。彼らは笑顔で尾を振り、笑顔で私たちのもとから急ぎ足で駈け去って行く、、、。
今、マロの子が2匹、東と西で病と闘っている。
東のビアンカは今年の誕生日で15歳、西の蘭は14歳が目の前、ともにウラルを母親に生まれた子だ。
病の様子が北の実家に届くたびに、女房はリストを持ち出し、古いアルバムをめくる。私も幼い子犬たちの写真を見ては、
「多分、この子がビアンカだよね、これは蘭?」
と、女房に確認をする。
北の雪の上、タンポポの畑、枯れ葉の庭などで駈け回り、じゃれ遊んでいた姿が蘇る。
運命の日がいつ来るのかは判らない。しかし、それぞれの飼い主さん家族の手厚い看護と、それに託され、凝縮された想いが、ビアンカと蘭に届くことを祈ってやまない。
きっと、遠くのマロも、ウラルも、そう願っているだろう。
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写真は、『若きマロ、走る!』、、、の図。