2008年 3月 24日 (月) 21:30
ようやく、午後、ネコの本を書き終えた。読み直してみると、あれも、これもと不満は残る。しかし、これもひと区切り、とにかくほっとした。
夕飯を食べながら、いつものようにニュースを視ていた。終わっても「チャンネルはそのまま」、どこの局のコピーだったかは忘れたが、面倒なのでそのままNHKにしていた。
ドキュメンタリーが始まった。白血病で夭折した歌手、本田美奈子の闘病の中で生まれたドラマを辿ったものだった。
私は、トイレに行くことすら我慢し、8時43分まで画面に釘付けになってしまった。
彼女は厳しい闘病生活の中で何曲も、ある作詞家の書いた歌を病室で歌っていた。もちろんアカペラで、、、。
それは小さなレコーダーに収められていた。
録音された歌がどうなったのかは、まだこの番組を視ていない方のために、ここでは書かない。きっと再放送があるだろう、いや、しなきゃいけない番組である。
私が食卓を離れられなかったのは、急性骨髄性白血病と闘う方の辛さを、ちょっぴり知っているからだ。
その心象を、彼女の歌のバックになっている映像が表していた。
淡々と、、、。
このような映像処理は、まず、今の民放では不可能かも知れない、動かず、ミディアムで、、、。
そんな事を思いながら、私はひたすら映像を見つめた。
小さなからだ、細いからだから紡ぎ出された彼女の歌声は、独特の澄み切った響きと高音の伸びを保っていた。
しかし、ぎりぎりの歌唱であることは、レコーダーに拾われているブレスの音が示していた。
でも、彼女は健康でも難しい歌を、滅菌された部屋で、ある想いを込めて熱唱していた。
私は、彼女にプロの凄さを感じた。
それは作られたプロではない、誰もが認めたプロ魂だ。
あっと言う間の73分、飲み忘れていたビールは泡も消え、生ぬるかった。
私は一気に飲み干し、膝のネコを下ろした。
エンディングで番組製作者のクレジットが流れた。
懐かしいお名前をふたり、確認できた。
プロデューサーのNさん、音響のkさん。
「ゆかいな仲間たち」を支えて下さった同志の方たちだった。
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写真は番組とは無関係です。
5年前、初めて庭に出たバンドリくんのヒナたちと、奥に、やはり見事な闘病を見せてくれたマロ親分です。
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