日記
2008年 2月 15日 (金) 22:23


それは突然に、、、。
by ubu


 一昨日、コボの人間語の理解力について書いたばかりだった。その翌日、つまり昨日の朝、コボは発作の真只中に突入してしまった。
 
 そのてんかん様の発作は2年前から何の前触れもなく、突然に起きるようになった。背骨は反り返り、横に倒れたまま四肢は空を激しく蹴る。口からはよだれ、瞳は左右に細かく揺れる。
 獣医さんに相談し、これは効くはずという抗てんかん薬を与えたが、かえって発作の頻度が増え、以来、薬は控えている。
 
 この発作が起きると、排便はストップ、小便は発作中に漏らすだけ。だいたい3〜4日は食べ物を口にするのは無理、水も飲む事ができなかった。
 ある日、私が昼飯替わりにアンパンを食べていると、発作中のコボがよろめきながら寄ってきてパンの匂いを嗅いだ。何気なく私は小さく千切ってコボの前に差し出した。
 コボは不自由な動きの口で、アンパンを食べようとした。よだれがあふれた。私が口の中に押し込んでやると、固まっていた舌を懸命に動かし、そしてよだれとともに飲み込んだ。
 
 以来、発作が起きると、ある程度の段階でアンパンを薬のように与えている。すると、それまで回復(餌を食べられるまで)に最低でも4日かかっていたのが、わずか1日で復活できるようになった。
 やはり、美味しく感じる物を、「何とか食べたい」、そして「自分で食べた」、、、、と言うことがコボの生きる力となっているのは間違いない。

 そんなアンパンによる対処法で数多くの発作を乗り越えてきているが、肝心な点、「なぜ」そして「どんな条件が揃うと発作が起きるのか」は、未だに分らない。
 今回のケースも、一昨日は素晴らしく快調、北海道に来て最高の状態だった。
 それが一夜、いいえ、夜中の1時の夜遊びは絶好調、それからわずか6時間後には、瞳は揺れながら焦点を定めず、歩行は、まるで視力を失ったかのように徘徊気味に変化していた。サークルの中は四肢で蹴った跡が残り、敷かれていた藁が片側に山になっていた。

 私と女房は、そんなコボをあるがままに受け入れるしかない。声をかけ、腰の痛みは忘れて倒れないようにハーネスを持ち、

「さあ、コボ、おしっこ、ウンコをしてみよう、さあ、出るよ、出るよ、、、」
 
 と大声で励まし、そしてアンパンを食べさせ、水おけの前でコボの体を支える、、、。

 北海道に来てからは軽い発作が一度だけだった。今回のはかなり違っている。しつこい発作のようで、舌は中央部で盛り上がり、固まっている。
 ようやく夕方には水を飲むことはできた。しかし、自ら食べ物を口にするこてはできない。大小便をうながすために、外でフリーにしたところ、林の中に突入し、昨夜の新雪の中に顔を埋めた。

 「立て、コボ、さあおいで!」

 明日、願いをこめて、遥か東京から1500キロを運ばれてきたアンパンをあげることにしている。

 
 



T R A C K B A C K

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