日記
2007年 1月 9日 (火) 10:51


犬、犬に会いて、犬になる。。。
by ubu

 
 三連休の最終日、世の中は成人の日、私は50を超える犬たちと山道の散歩をした。2匹、3匹と多頭飼いの方もいらしたが、ほとんどは1匹の愛犬を連れての参加だった。
 それぞれの犬たち、普段の暮らしの中で、このような数の仲間と出会う機会はほとんどないだろう。
 
 「うちの子、ほかの犬を咬むんじゃないだろうか、、」
 「皆さんに吠えたり、跳びかかって迷惑をかけたらどうしよう、、、」
 「もしリードが離れて、どこかに行っちゃったら帰ってこないのでは、、」
 「何か迷惑をかけるといけないので、うちは後からついて行きます、、、」

 様々な不安を抱かれたまま参加され、出発前に、私に申し出て下さった飼い主さんもいらした。
 
 「だいじょうぶです。このような思いがけない場だからこそ、犬は飼い主さんを頼ります。いちいち反応できないほどの数ですので、他の犬が怖くても、どうにでもなれ〜に気持ちが変化するのです。さらに、他の犬の動き、様子をみて多くを学びます。どうぞ、堂々と手段の先頭、、真ん中を行って下さい!」

 大行進が始まった。けっこう息が切れる急な道を犬と人が登って行く。犬は目も心も先を見据えているが、人間は2日前の雨で、まだ濡れている足元に気を配り、皆さん、うつむきがちだった。

 やがて広場に到着、用意してあった水桶で犬たちはのどを潤す。
 そこから、私たちインストラクターが見守る中で、犬たちをフリーのする行進となった。自信のある飼い主さん、この際、試してみようという飼い主さん。それを私たちは笑顔で見守り、それぞれの動きを確認した。

 尾根の近くまで行って引き返した山道大散歩は、ひとつの事故もなく、飼い主さんの足の疲れと、犬たちの満足げな笑顔で終わった。

 「リードで繋いでいた時よりも、私のことをチェックしていました。先に行っても必ず立ち止まり、私の方を見るのです。さらに、他の犬の動きに誘われて、いつもはあんなに仲良く遊ばないのに、しっかり仲間になっていました。感激です!」

 紅潮した頬で、お母さんが私に語ってくれた。
 ここに『犬の真実』があると私は断言する。
 犬はフリーになった時、その本当の心と姿を現す。短い時間だったが、リードから開放され、自分の判断での行動を認められた時、犬の心(判断力)は豊かになり、そして人を見つめる基本(飼い主に向ける心を持つ家畜)に戻ったと思う。

 なかなか都会では、犬を一般生活の地でフリーにはできない。
 だからこそドッグランや庭、そして室内を上手に利用すべきである。短い時間でも自分の判断で行動出来たなら、犬は満足を得られるだろう。
 その時により効果的なのは、他の犬の存在である。多頭飼いが不可能な方は、ぜひともドッグランに通っていただきたい。そこで自分の犬が、どの程度の社交性を備えているのかを確認し、次のステップへの時間と機会を作ってほしい。
 しかし、残念なことに、犬の行動を判断し、アドバイスをしてくれるインストラクターが常駐しているドッグランはほとんどないのが実情である。だから様々なトラブルが起きている。
 
 お願いをさせていただきたい。
 ペット、特に犬に関わる様々な分野の専門家の皆さん、各地のドッグランの運営に関するソフト面に力を・・・・と。

 今回の大散歩は、王国のドッグランを利用されている方が多かった。ある意味で、これまでのドッグランにおける遊びや学びの発表会のようなイベントになった。
 それは大成功であり、みんな合格である。

 やはり、犬は、他の犬から多くを学んでいる。
 その場と時間を用意してあげるのが、私たち飼い主の義務かも知れない。

 

 



T R A C K B A C K

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