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年頭のご挨拶

by JAけねべつ

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根室農業改良普及センター
北根室支所 支所長
並 川 幹 広
 謹んで新年のお喜びを申し上げます。組合員の皆様におかれましては、輝かしい新年をご家族の皆様と伴に迎えられたことと存じ上げます。また、旧年中は農業改良普及センターの業務にご理解とご協力を賜り御礼申し上げます。
 昨年の気象経過と農作物の作柄を振り返りますと、春先は低温傾向が続き雪解けが遅く、一部では春耕が遅れた地域もありました。5月下旬から7月中旬までは比較的好天にも恵まれ、気温の高い傾向が続き、各作物とも順調に生育しました。一転、8月は曇天が続き、日照不足となり、それ以降も降雨が続き、収穫作業が遅れる結果となりました。しかし、いずれの作物も平
年並みの収量が確保されました。
 また、生乳生産に目を向けると、ここ数年の暑熱による分娩時期のずれか、夏以降前年実績を下回る状況が続いており、今後の回復が待たれるところです。
 さて、酪農と酪農を取り巻く状況は、国政、世界経済とエネルギー事情など様々な要因に左右されることから、新しい年を迎えてもなお、先行き不透明な情勢が続いています。昨年5月に安倍晋三首相はTPP交渉参加をひかえ、「強い農業」をつくり上げることを表明しています。生産から加工、流通までを担う「六次産業化」市場を、現在の一兆円から「10年間で10兆円に拡大したい」とし、農業・農村全体の所得を10年間で倍増させる目標を掲げています。TPPの交渉が進展する中、安倍首相の掲げる目標「強い農業」は具体的にどのような農業であれば良いのか、気になるところです。特に、当地域のような酪農地帯において農業、農村全体の所得を倍増する方策はどんな手法や姿であれば良いのか?!答えを見つけるのが難しくて悩ましい感じがします。
 故人となったコラムニストの天野祐吉さんは、朝日新聞の「CM天気予報」というコラムで、安倍首相フランス訪問時に発表した「強い国」となるための取り組みについて共同声明したことを、次のように論評していました。「強い国」となるための手法が、原発の再稼働による経済力の増強、そして最先端の武器の保有であり、本当にこれらが必要なのか疑問である。そして、「強い国」ではなく「賢い国」になることが大切で、「賢い国」になるためには、お金は必要でなく、知恵と品性があれば良い。「賢い国」を目指すことが大切ではないかと…。
 「強い国」とは少し意味合いは異なるかもしれせんが、「強い農業」という考え方も本当に的を射たものであるのか?少し疑問に感じているところです。経済の論理だけで農業の有り様を論じるのは少し乱暴に思われますし、国の有りようと同じように農業も「強い」ではなく、「賢い」を目指すことが、これからは大切なように思えます。経済的に強いだけでは豊かな農村にもなりませんし、そこに暮らす人々の幸福感が本当に得られるのであるのか?そして幸福感は多様であるとも言えます。
 常に変化し続ける農業を取り巻く情勢に順応しながら、地域に暮らす人々が幸せになるため、そこに暮らす人々自らが知恵を出し合い、新たな試みにも積極的に取り組んで行くことが、より重要になると思われます。このような、地域が一体となる取り組みに、農業改良普及センターも関わりを持ち、皆さんの役に立てるような仕事が出来ればと考えているところです。
 新たな年を迎え、昨年の出来事を反芻し、農業とそして地域がより豊かになるために大切な事はどんなことなのか?!を考えるとともに、「賢い農業」の実践に向けて農業改良普及センターも、その一端を担えるよう、職員一同気持ちを新たにしているところです。結びになりますが、本年も皆様方がご健勝で、JA計根別にとって稔り多い一年となりますことを心よりご祈念申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

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